「いつか、きっと...」
「ありがとう…」
そう呟いて夜天と大気に支えられて行く星野を追いかけようとするがはるかがうさぎの腕を掴む。
(星野…星野……あたし、どうしたらいいの?)
瞳からは涙が落ちる…ただ遠くなる背中を見つめる…
本当は追いかけて…駆け寄り傍に行きたい……
けど行って何を言えばいい?ー
…逢う資格なんてないのかもしれない……
あたしのせいで星野を傷つけた…だからもう、逢わない方が……でも…ーーー
『ーいつか、きっと解り合えると思うんだー』
星野の言葉を思い出す…
(解り合える…あたし達、解り合える日が来るよね……信じていたいー)
それから数日が過ぎた朝…
「う〜ん…よく眠れなかったなぁ…」
ここ最近は星野の事が気がかりで眠れない日が続いていた。
うさぎはゆっくりと寝不足の体を起こす…
「休みの日なのに早起きしちゃった…」
うさぎは何気なく近くにあった雑誌をパラパラとめくる。
「…スリーライツ…生放送に出演…今日じゃない…星野、大丈夫かな…
(心配だけど…逢いに行っても逢わせてもらえないだろうな………あっ!!!そうよ!!)」
うさぎの頭にある考えが浮かぶ…
(月野うさぎの姿でなければ…)
うさぎは思いつくとあるモノを取り出す。
「久々に使うわね…」
「うさぎちゃん?」
どっきーん!!!
突然、名前を呼ばれ心臓が飛び出そうになる位、驚く。
「ル、ルナ…起きちゃった…?」
焦りまくりのうさぎを不思議そうに見るルナだが、
うさぎの持ってるモノと近くにある雑誌に目をやり察したようだ…
「うさぎちゃん…まさか…」
「ごめん!ルナ…あたし、星野が心配なの!せめて顔を見るだけでもいいの…
お願い…行かせて!…はるかさん達の気持ちも分かる…けどこのままなんて…あたしは嫌なの!
星野達は悪い人じゃないて事をルナだって知ってるでしょ?…だから…お願い…」
必死に頼み込む、うさぎを見て、フゥと小さく溜息をつき…
「…分かったわ…いってらっしゃい…」
「ルナ…ありがとう…」
瞳を潤ませ、お礼を言う。
嬉しそうに家を出ていく、うさぎを見送るルナ。
(本当に仕方ないんだから…でも今のままのうさぎちゃんは見ていられないのよね…)
うさぎはテレビ局の近くに来ると周りに人が居ない事を確認し変身ペンを取り出し…
「ムーンパワー!テレビ局のスタッフになぁれ〜」
光に包まれテレビ局のスタッフの姿に変身する。
「よしっ!行くぞ!」
うさぎはテレビ局に入り生放送のスタジオへと行く。
うさぎがスタッフとしてスタジオの準備をしてるとスタジオの中にスリーライツが入って来る…
(……星野…)
その姿を見つけ立ち尽くしボッ〜としてると…
「こらっ!そこ!ボケーッとしてないで作業を進めろ!」
突然、怒鳴られ慌てる。
「えっあっ…ごめんなさ…うわわっ……きゃあ!」
ズターン!!!!
「いったぁ〜〜い……うっ〜」
派手に転んでしまう…
「大丈夫ですか?」
手を差し伸べられ顔を上げる。
「…大丈夫…で…!!!!!!!(…星野ーー)」
頬を赤らめ星野を見つめたまま動かない…
「あの?どうしたんですか?」
心配そうに顔を覗き込む星野に慌て…
「だ、大丈夫です!それじゃ!//////」
勢いよく立ち上がり走り去る…
「何だ?…」
「恐らく、星野、あなたのファンなんでしょう…それより本当に大丈夫なんですか?」
「ああっ平気だって!傷も対した事なかったんだからよ!」
元気よくガッツポーズをする。
「んっ?」
ふと、足元に落ちたものを見つける…
「これは……!!!」
星野は何かを思い出したかのようにうさぎが変身したスタッフを見る…
するとまたドジをし他のスタッフに叱られていた…
(まさかーーー)
「星野?」
大気に声をかけられ我に返る。
「あっ…何でもない…さっもうすぐ本番だから行こう」
「ええっ…」
「まったく…生放送なんてやってられない…」
けだるさそうに夜天がぼやく。
「星野、生放送なんだから余計な事、言わないでよ。ラジオの時みたいにさ」
星野をキツく睨みつけ言う。
「…悪かったよ…大丈夫、今日は気をつけるから…」
「あんな子の事なんて気にかける事ないんだからね」
夜天の言葉に星野は俯く…
(…お団子…)
生放送終了後…
「はぁ〜っ疲れた…でも…
(よかった…星野、元気そうで…話が出来たらいいんだけど無理よね…
大気さん達とも話せばきっと解り合える筈だよ……)」
「どうも、お疲れ様です…」
背後から挨拶をされ振り返り返事を返そうとする…
「お疲れ様で…!!」
振り返ると星野の姿があった。
うさぎは驚き慌てて逃げようとするが…
「待って!」
うさぎは腕を掴まれ驚く…
「落とし物ですよ…」
そう言うと…ポンッとうさぎの手のひらに何かを置く…
「……あっ……これは…」
星野を見ると真っ直ぐにうさぎを見ている……
うさぎはその瞳を見る事が出来ず俯く…
「…それ、俺が無理矢理デートに誘った奴にお礼としてやったのと似てるんだよな…偶然かな…」
その言葉にうさぎは何も言えずに俯き黙ったまま…
「…俺…そいつを傷つけた…だからもう…逢わない方がいいと思ってた…これ以上、傷つけたくないから…」
(…傷つけた?ううん…傷つけたのはあたしの方よ…あたしのせいでアナタは…)
うさぎは顔を上げ星野を見ると星野は少し切なげに…優しく微笑んでいた…
「…でも俺は…どんなカタチでもいいから逢いたい…そいつの笑った顔が見たいんだ…
そいつの笑顔に今まで救われた…仲間の1人だってそうなのに何で分からないかな…頑固なんだよな…」
「……せ…」
名前を呼ぼうとするがまた俯く…
「…アンタに何でこんな事を言うんだろな…でも似てるから…アイツに…
危なかっしくて…守りたい所とか…何があっても守りたい奴に…」
(…星野…どうして…?あたしはアナタを傷つけた…なのに…
アナタもあたしに逢いたいと思ってくれてるの?その言葉に嘘はないよね…あたしもアナタを信じてる…)
うさぎはゆっくり顔を上げると静かに口を開く。
「…きっと…その子もアナタに逢って話がしたいと思ってる…今はまだ出来ないけど…
いつかきっと…解り合えるわ!信じていて…あたしも信じてる!」
星野を真っ直ぐ見つめ言う。
「…お前…やっぱり……お…」
「星野!何してんの?」
夜天と大気が来る。
「ああっ…この人が落とし物したから届けてただけだよ。じゃあ、お疲れ様でした」
「あっ…はいっ…」
星野は通り過ぎようとした瞬間…うさぎの耳元で小さく囁く…
『…俺も信じてるから…お団子の事…逢いに来てくれて、ありがとう…』
「!!!!//////....」
通り過ぎた星野に慌てて振り返り…
「ーー…ありがとう!!」
大きく叫ぶ…
それに星野は驚くが…ふっと微笑み手をあげ去って行く…うさぎはその後姿を見つめる。
(…あたしだって気付いた?どうして?)
うさぎは手のひらにあるピンクのクマのヌイグルミを見つめる…
(…星野、このクマちゃん覚えてたんだ…だから、あたしだって気付いたのかな…
信じてるからね…星野…あたし達…いつかきっと…解り合える…また友達で居られるよね…)
うさぎは瞳を閉じクマのぬいぐるみを握りしめる…
瞳にはうっすらと涙が滲んでいた…
一方…星野は…
(お団子…どんな姿であってもお前が放つ光でお前だと分かるんだからな…
けど俺がやったの大事にしてくれてたんだな…また一緒に笑い合える日が来る日を信じてる…
友達でもいい…お前の傍に居て守りたいんだー)
『『あたし(俺)達...いつかきっと解り合えると信じてる...−−−』』
2人…同じ気持ちを抱いていればきっと…いつかきっと… 解り合える…その日が来る事を信じてるー
END
『私たちになりたくて』=『星うさ』ですよね?